賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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サラリーマン川柳のトレンド感がとても薄っぺらい

   

第一生命保険が主催する、第27回サラリーマン川柳コンクールの上位作品が少し前に発表された。というか、オレ自身も第一生命保険が主催しているということをついさっき知ったのだけど、まあそれはともかく(笑)

 

基本的に毎年、サラリーマンの仕事上のあるあるネタや家庭内での“非リア”っぷりを描いたものが多く上位に選ばれる傾向があるサラリーマン川柳なのだけど、今年はそれらに加えて、非常に薄っぺらいトレンド感が例年よりも随分と顕著に見える。

 

まずは、2014年の上位作品を見てみよう。

【1位】 うちの嫁 うしろ姿は フナッシー
【2位】 もの忘れ べんりな言葉 「あれ」と「それ」
【3位】 妻不機嫌 お米と味噌汁 「お・か・ず・な・し」
【4位】 帰宅して うがい手洗い 皿洗い
【5位】 おもてなし 受けてみたいが あてもなし
【6位】 「イイネ」には 「どうでもイイネ」が 約五割
【7位】 やられたら やり返せるのは ドラマだけ
【8位】 「オレオレ」に 爺ちゃん一喝 「無礼者!」
【9位】 いつやるの? 聞けば言い訳 倍返し
【10位】 わんこより 安い飯代 ワンコイン

このようなラインナップだけれども、どうだろうか(笑)

 

個人的には、なんとも安っぽいトレンドに安直に便乗しました的な雰囲気が非常に色濃く感じられる。2,4,10位あたりは、まあ例年通りの作風と言った感じだけれども、その他のほとんどが今年でなければわからないネタばかりを扱っている。

 

このサラリーマン川柳、合計で30,000作品以上の応募があるという、意外とそれなりの規模感を持つ。しかも、約10万人以上の投票者によって選考がなされているようだ。

 

けれども、そんなにも多くの応募作と、そんなにも多くの選考員(?)がいてもなおこのレベルのものが上位なのか、というのが正直な印象だ。

 

確かに、今の世の中で話題になっている言葉を使うのは、読み手の目を引きやすいという意味ではそれなりに有効だろう。けれども、それは同時に、既存の言葉で何かを表現することを放棄している姿だとも言える。

 

ましてや、それを投票者が上位に選んでしまうなど、なんとも思慮に欠けた行為ではないだろうか。

 

これはオレの持論なのだけど、何かについて「うまいこと言う」ということを目指すにあたって、世の中で流行っていて、覚えたばかりの言葉をすぐに使うことほどダサいことはないと思っている。

 

そういう観点から見たときに、今回の上位作品のほとんどが、まったくもって「うまいこと」言えていない。むしろ、元ネタを知らずに見たら、「は?」というものばかりだ。

 

「自分の言葉」で「うまいこと言う」ということにある種のロマンを感じているオレからすると、とてもじゃないが、この流行りに飛びついただけの感じは受け入れがたいものがある。

 

果たして、あなたはどう感じただろうか。

 

ちなみに、全体の概要や過去の上位作品などはこちらから見ることができる。

サラリーマン川柳|第一生命保険株式会社

 

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