賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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会社とは段階別の共産主義組織である

   

世の中の多くの人はどこかしらの企業に雇用されて、契約で定められた勤務時間に応じて給料を受け取っている。正社員から契約社員、あるいはアルバイトでも何でもいい。多くの人は出勤から退勤まで時間労働をしていれば、自動的に給料が貰える。

 

これは実は、ある意味で非常に共産主義的なシステムである。あくまで段階別ではあるが。

 

そもそも、資本主義というのはものすごくアバウトに言えば「頑張ったら頑張った分だけ報酬が得られる」というシステムだ。

 

だから、その「頑張り」に応じて貧富の格差が当然の事として存在する。これは別に悪いことではまったくなくて、むしろ知識量(と行動量)によって逆転の余地があるという点において非常に優れたシステムである。

 

さて、この前提を持って会社というものの報酬システムを再び考えてみる。

 

資本主義の前提は「頑張りに応じて報酬が変動する」というものだ。では、会社の報酬体系はどうだろうか。「頑張りに応じて報酬が変動する」だろうか?

 

答えは、否。

 

何故なら、会社の給料というのは労働が生み出した「価値」ではなく、労働者が勤務した「時間」に応じて支払われるからだ。

 

たった1時間の営業で3億円の契約を勝ち取ろうと、1ヶ月もの間まったく契約が取れなかろうと、その人の月収が25万円と決まっていれば25万円である。50万円と決まっていれば50万円である。

 

共産主義というのはアバウトに言えば「全ての人が生み出した価値の総和をまずはお上が管理してから全ての人に平等に還元する」という考え方であって、そんなことは人間の価値観が一人一人異なっている以上は絶対に不可能なのだけど、会社の給料というのはまさに段階別ではあるがそうなってしまっている。

 

それが良いか悪いかはここでは論じていない。というより、身も蓋もないことを言えば、良いか悪いかなんてことはあなたが決めていい。

 

ここでオレが言いたいのは、「そのシステムのカラクリに気付いているか?」ということだ。

 

つまり、「生み出した価値」ではなく「勤務した時間」に応じて報酬が決まっているということは、報酬を支払う経営者の側の視点から考えると、

「生み出した価値」>「勤務した時間に対する報酬」

という構造になるように報酬が設定されているはずである。(そうでなければ、人を雇えば雇うほど赤字になるのだから)

 

こうして紐解いてみると、「あれ、これって労働力の搾取じゃないか?」と思う人が出てくるかもしれない。なるほど確かに、自分が生み出した価値と報酬が釣り合っていないじゃないかと思う人もいるだろう。

 

そう思いたければ思うのもいい。

 

けれども、そこで終わってしまっていては単なる子供のワガママだ(笑)

 

この構造上のカラクリに気付いたうえで、あなたが取るべき選択肢はいくつかある。ひとつは、自分の「頑張り」がきちんと反映される報酬体系の会社に転職する。もしくは、自分が新たにビジネスを立ち上げてそのオーナーになる。これらはどちらかと言えば強者の思考である。

 

もうひとつは、このカラクリを理解した上で今まで通り仕事をするということだ。世の中の全ての人が勇敢なチャレンジャーではない。(たとえかりそめのものだとしても)今ある安定を捨てたくない気持ちも理解できる。

 

いずれの道を選ぶとしても、重要なのは、自分がどのような構造の中にいるのかということを理解しておくことだ。それだけでも随分と違う。

 

思考停止したまま搾取されるのか、理解した上でそのシステムをありがたく利用させていただくのかでは、表面の行動は同じでも意味としてはまったく違う。

 

せっかくこの記事を読んでくれたあなたには、できることなら後者でいてほしい。

 

たとえ勇敢なチャレンジャーではなくとも、せめて頭の使える人であってほしいと思う。

 

 - 思考