賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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竹俣紅(現役女子高生女流棋士)の思考力と対話力が非常に素晴らしい

   

竹俣紅(たけまたべに)という人物をご存知だろうか。

 

最近はテレビ番組の出演などで少しずつ有名になりつつあるような感じもあるけれども、知らない人のために一応紹介すると、タイトルにもある通り、彼女は将棋の女流棋士である。しかも現役の女子高生(!)

 

ちなみに「女流棋士」という言葉の定義を正確に知らない人も多いかもしれないので簡単に説明しておこう。まず、将棋の世界には様々なスポーツなどと同様にプロ(=職業として専門にやっている人達)というものが存在している。しかし、将棋用語としての厳密な定義における「プロ棋士」というのは現在のところ男性しかいないのだ。これは決して男女差別的な話ではなくて、男女関係なくチャンスがきちんと平等に開かれている中にあって、フェアな実力勝負の上で、今のところ女性のプロ棋士は存在していないということである。何故そうなってしまうのかは正直よくわからないが、やはりまだまだ頭脳戦は男の方が強いという事なのだろうか。

 

いずれにしても、将棋ファン以外からはしばしば勘違いされている「女流棋士=女性のプロ棋士」という認識は間違いである。では、女流棋士とは一体どのような立場なのかというと、(男性の)プロ棋士とは別のカテゴリーとして棋戦(=将棋の大会)が行われている領域内で活動している女性の棋士といったところだろうか。つまり、「女流棋士」とは「職業として専門的に将棋をやっている女性の将棋指し(ただしプロ棋士ではない)」といった定義になるだろうか。

 

ちなみに、将棋のプロ棋士は新進棋士奨励会(通称・奨励会)という、将棋のプロを目指す人が通う専門学校のような機関が定める四段に昇格することでそのキャリアをスタートさせることができる。けれども、実はこれがかなりの高いハードルであって、基本的に一年間に4人しかプロにはなれない上に、26歳という年齢制限までに四段へ昇格できなければ棋士への道を諦めざるを得ない。そんな中で、将棋にまったく興味がなくても名前ぐらいは誰でも知っている、かの有名な羽生善治氏などは中学生の時点でこの四段に昇格していたりするのでやはり異次元レベルのバケモノである(笑)

 

ところで、女流棋士の中にもほんの数人ではあるが、この奨励会が定める三段までは昇格していて、あと一歩で史上初の女性プロ棋士になりそうな人達もちらほらといるようだ。是非とも頑張ってほしいところである。

 

さてさて、長い長い前置きはこれくらいにして、竹俣紅女史についてである。

 

一応、簡単なプロフィールくらいは書いておこう。

 

1998年6月27日生まれ
2012年10月1日(14歳)プロ入り
東京都出身
森内俊之門下
2016年4月1日(17歳)女流初段

 

まあ、もっと詳しく知りたいという方はWikipediaの方に飛んでもらうとして(笑)

 

これ以降、将棋ファンとしての視点で戦績や棋風などを熱く語り始めると読者がもれなく置いてけぼりになってしまうと思うので(笑)、そのあたりはまるっと割愛して、本記事ではタイトルにもあるように彼女自身の思考力や対話力やその感性について語ろうと思う。

 

まず、男女を問わず多くの将棋棋士がそうであるように、彼女は非常に物腰が穏やかで立ち振る舞いに気品や落ち着きがある。同年代でテレビに出ているような多くのしょーもねー女タレントなんかと比べるとそれがより顕著だ。ひどい偏見だが(笑)

 

また、ワイドナショーなどに代表されるようにテレビ番組でのコメントをいくつか観察してみると、言葉の選び方からして本当に高い知性を感じる。非常に注意深く言葉を選んでいるのだけど、それでいて決して多くのしょーもねー大人が好むような「物わかりの良いお嬢さん」を演じようとはしていない。きちんと自分の言葉で本音に近い事を冷静に丁寧に語っているなという印象を受ける。

 

決して予定調和的な教科書通りのコメントではなく、「なるほどそういう考え方もあるのか」という、ある意味で視聴者を唸らせるような鋭い視点も持っている。もはや「その若さで」という枕詞を付けるのが失礼に思えてしまう程に洗練された思考や感性がある。

 

そして個人的に特にすごいと思ったのは、いわゆるテレビ業界というカテゴリーの中ではキャリアにかなりの差があるような先輩相手であっても変にビビったり媚びたりすることなく堂々としているところである。しかも、いわゆる虚勢として調子に乗っているわけでは全くなくて、普通に大人として大人に対しての対話というものが自然とできている。

 

やはり、これまでの女流棋士としての実績から考えれば順当なのだけど、改めて自己肯定感が非常に充足しているのだなと感じる。素晴らしい事だ。

 

ところで、彼女は趣味がミニ盆栽とのことなのだけど、この若さでなかなか珍しい気がする。やはり渋くて和風なものが好きなのだろうか(笑)

 

ちなみに、2016年4月より棋戦を1年間休場すると発表しているのだけど、ちょうどそれと前後して芸能事務所と所属契約を交わしたりしたこともありつつ、師匠である森内俊之氏と微妙な関係になってしまったという噂もちらほら。まあ正直、憶測の域を出ないというか、基本的にしょーもねー週刊誌の記事しかソースがないので何とも言えない面はある。

 

まあタレント活動の比重を増やし過ぎると本業の方の業界からはあまりよく思われないというのはどの世界でも同じなのだろうね(笑)

 

そんな竹俣紅女史のあれこれについてでした。

 

また気が向いたら別の記事ででも。

 

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