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ゴスペラーズ『Platinum Kiss』歌詩の意味,解釈,考察

   

本記事は2013年8月に桐峰矜の別のブログ『キョウのゴスコトバ』に投稿された記事を移行させたものである。このブログ『賢哲なる恣意性』とはだいぶ文体などのテイストが違うけれども、せっかくなのでそのまま載せようと思う。

 

 

≪≪≪以下、本文≫≫≫

皆様こんにちは。

桐峰矜(きりみねきょう)です。

今回は、The Gospellers(ゴスペラーズ)の『Platinum Kiss』の歌詩について、私、桐峰矜の独自の視点から解釈と考察をしていきたいと思います。

皆様どうぞよろしくお願いします。

 

≪楽曲基本情報≫

『Platinum Kiss』The Gospellers(ゴスペラーズ)

作詩:安岡優
作曲:黒沢薫、妹尾武

曲の構成は、

イントロ
Aメロ Bメロ サビ
Aメロ Bメロ サビ
Cメロ サビ サビ

といった感じです。

歌詩を引用する場合には、“二重引用符”を使います。
例 “大地を目指す流星が 光を運ぶように”

 

≪解釈&考察≫

さて、ゴスペラーズ27枚目のシングル『Platinum Kiss』です。

 

これぞ、ゴスペラーズといった感じの王道アカペラ曲ですね。

 

この『Platinum Kiss』をきちんと歌うことができるのは日本でゴスペラーズだけなのではないかという、圧倒的な楽曲のクオリティだと思います。

 

そしてPVの美しさは個人的にゴスペラーズ史上最高であるとも思っています。

 

そんな『Platinum Kiss』、歌詩も非常に考察のしがいがあるモチーフでありテーマですね。

 

では内容にいきましょう。

 

“あなたが目覚める物語さ まるでプラチナ色の…”

 

まずもって、この始まり方が非常に印象的ですよね。

 

この『Platinum Kiss』では、“プラチナ”という言葉を、「高貴な色」、「運命的な確率」など、複数の意味の比喩として使っていますが、ここでは、まず全体のつかみであり、そしてまとめでもあるフレーズなので、「この今から歌う曲は、あなたのためのキラキラした曲なんですよ」といったニュアンスを表現している感じがしますね。

 

さて、Aメロです。

 

“思い出を塗り替えるために二人恋したの?”
“目を閉じて震えてた だけど今世で出逢えたよ”

 

歌詩の意味を解釈する前に、まず前提として、プラチナというのは、約40億年ほど前に巨大隕石が地球に大量に降り注いだわけですが、その隕石の中に金やその他の鉱物とともに含まれていたものなんですね。

 

そうして地球に定着したプラチナが、地球のプレート移動によって長い時間をかけてマントルの中に混ざりながら埋まっていき、再び陸地に鉱床としてあらわれてきたものが、我々が一般的に考えるプラチナの姿なのです。

 

ですが、別に化学やら物理やら地質学やらの話はどうでもよくて、プラチナという物質には、途方もなく長い歴史があり、奇跡的な確率で地球との出逢いを果たしたのだというニュアンスがわかって頂ければ大丈夫です。

 

というか、言ってしまえば、この感性がそのまま、この『Platinum Kiss』という楽曲の世界観でもあるわけです。

 

つまり、長い歴史があるからこそ、そこから新しい出逢いに踏み切ることは、まるで“思い出を塗り替えるため”の行為のようでさえあるわけです。

 

そして、誰しも新しい何かに触れるときには不安がありますよね。

 

それが、“目を閉じて震えてた”というフレーズに表されています。

 

“だけど今世で出逢えたよ”

 

という表現は、地球の長い歴史と隕石がぶつかる確率を比喩として、現実の世界で今このときに出逢えたことは奇跡的だという、まさにラブソングの王道といった感じのことを言っているわけです。

 

私は常々、安岡さんの作詩が最高だと思うその理由として考えているのが、「言っていることは当たり前だけど、使っている言葉がまったく当たり前じゃない」という部分なんですが、なんというか、他の多くの人は、「言っていることが当たり前で、使っている言葉も当たり前」であったり、「言っていることは特殊だけど、使っている言葉は当たり前」というのが多いという印象を受けます。

 

個人的な感覚としては、前者ではあまりに「陳腐」であり、後者ではただの「語彙力不足」だと思うんですよね。

 

もちろんすべてがそうだとは思わないですが。

 

そんな中、例えば酒井さんなんかは、「言っていることが特殊であり、使っている言葉も特殊」というレアなケースが見受けられます。

 

と、まあとにかく(笑)

 

安岡さんの場合は複数の要素を複雑に絡めてつなげていくのが非常にうまいなあと感じる次第です。

 

さて、Bメロです。

 

“囁くように 祈りを胸に”
“「そばにいて わらって」 それだけで”

 

ここはまあ、特別深い裏の意味があるようには思えませんね。

 

ラブソングとしてスタンダードに綺麗な言葉が並べられていると思います。

 

そしてサビへ。

 

“大地を目指す流星が 光を運ぶように”
“愛する人よ 運命は あなたの名前を今も呼んでいる”

 

はい。ここの前半がまさにプラチナのことですよね。

 

後半の「運命が」「名前を呼んでいる」というのは、つまり、私の相手はあなたなのだとまた一段と強く認識しているということですね。

 

さて、2番へ。

 

“手のひらを広げたら こぼれ落ちる砂時計”
“誰もみな生まれ変わる まなざしが信じた行き先へ”

 

手のひらを広げるというのは抱きしめるときの仕草ですね。そして、砂時計が落ちるというのは時間が始まるということです。

 

つまり、二人が結ばれた時からが始まりなのだという事でしょう。

 

まあ、後半は特に解釈の必要はないですね。

 

さて、Bメロへ。

 

“旅するようにページをめくり”
“特別な言葉が溢れだす”

 

この『Platinum Kiss』は全編を通して、“あなたが目覚める物語さ”ということなので、そのあたりもうまく比喩として機能していますよね。

 

あくまで物語を読み解いていくという感覚で、その中で生まれてくるいくつものエピソードを“特別な言葉が溢れだす”というフレーズで表現しているわけですね。

 

そしてサビです。

 

“大地を目指す流星が 夜空を辿るように”
“愛する人よ 運命は あなたの全てが道標になる”

 

今度は、流星(=隕石つまりプラチナ)が愛する人(=地球)に出逢うべく“夜空を辿る”ときに道標になるのはあなたの存在だという事でしょう。

 

Cメロです。

 

“込み上げる涙が一筋の果てしない未来を”

 

ここは、非常に解釈が分かれるというか、まずもって、文章として不完全なんですよね。

 

主語と目的語だけがあって述語がないという(笑)

 

まあ、なんとなくそれぞれが雰囲気で感じ取ったらいいんじゃないでしょうかという感じです(悪質な丸投げw)

 

さあ、最後のサビです。

 

“プラチナ色のくちづけが 永久の歴史を語り”
“愛するために生まれたと あなたに囁く 時を超える”

 

これは、隕石が地球にぶつかってプラチナを運んでくるという現象をキスにたとえているわけですね。

 

つまり『Platinum Kiss』とは歌詩の内容的にはこういう事だったわけです。

 

そして、“永久の歴史を語り”であったり、“時を超える”といった表現は、プラチナが持っている長い長い時間的な背景を象徴しているのだと思います。

 

そして2回目のサビです。

 

“遥か大地を目指す流星が 生命に還るように”
“愛する人よ 運命は”

 

ここはもう最後のまとめ的な内容ですね。

 

そしてラストで最初のフレーズに戻ってくるというニクイ演出です。

 

“あなたが目覚める物語さ まるでプラチナ色の…”

 

この演出だけで正直もうこの『Platinum Kiss』は勝ったなという感じでしょうか。

 

全編通して一部の隙もない完璧なクオリティの楽曲だと思います。

 

そんなわけで、『Platinum Kiss』の歌詩を私なりに解釈し、考察してみました。

 

いかがでしたでしょうか。

 

これからもゴスペラーズの数多くの楽曲の歌詞(歌詩)を幅広く独自の視点で解釈&考察していきたいと思います。

 

今回は最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

“まるでプラチナ色の…”

 

桐峰矜

 

≪≪≪以上、本文≫≫≫

 

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