賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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されていない期待こそ裏切らないという事

   

約束していない事までいつの間にかやってくれていたら、とても嬉しく思うのが人情というものだろう。いわゆるサプライズというやつだ。それは日常的な人間関係だけに限らず、当然ながらビジネスの現場でも同じである。

 

人が心を大きく動かされるのは、期待を大きく上回ったときか、予想を大きく下回ったときである。こうさらっと書いてしまうとあまり注意がいかないかもしれないが、心が動くのは、あくまで事前に抱いていた期待値とかけ離れていた場合だけである。その期待値との差分が大きければ大きいほど必然的に心の動きも大きくなるのである。

 

つまり、ここから我々が考えるべきなのは、常に相手の期待のひとつふたつ上をいかなければならないという事だ。「期待を裏切らない」というのは一見かっこいい評価に聞こえるが、実は「明日は晴れるよ」と言われて実際に晴れたのと同じである。期待通りというのは言い換えれば「当たり前」であって、人間は想定していた通りの状況に対して心が動く事はない。

 

相手が期待してくれた通りに何かをするのはもちろん素晴らしい事だ。そこの最低ラインのハードルが超えられていなければ話にならない。それは大前提である。けれども、何かしら相手の感情を揺さぶりたいのであれば、“されていない期待”にこそ全力で応えなければならない。

 

それを可能にするのが、ビジネス用語で言えばマーケティングリサーチである。それも、ただ事実を羅列するのではない。事実の集合体から、表には出てこない真実をどれだけ汲み取れるか。そこが勝負どころである。

 

いずれにしても、感動を呼ぶのは、いつの時代も、人々の予想も期待も要求も遥かに超えてきたものだけなのである。

 

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