賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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アイドル的な在り方について

   

アイドルっていうのは、笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事なの。

 

これは、かの有名なμ’sの矢澤にこのセリフである。もちろん作中屈指の素晴らしい名ゼリフのひとつとして強く印象に残っているが、そうは言っても、現実として多くのアイドルにとっては笑顔を見せること自体も重要な仕事のひとつだと言えるだろう。

 

思うに、「何かを真剣に集中して頑張りながら笑顔を見せる」という行為は、実はその見た目から受ける印象とは裏腹に、物凄く難しい事なのではないだろうか。

 

私自身の経験から得た実感としては、何かに集中して真剣になればなるほど、目付きは鋭く、表情は強張っていく。何人かの知人の証言によると、そういう状態の時の私には何か「近寄りがたいオーラ」のようなものを感じるらしい。

 

もちろん個人差はあるだろうが、多くの人は何かに集中して真剣にやっているときは当然ながら表情はきつくなるだろうし、ましてや笑うなどという事は極めて少ないのではないだろうか。

 

そう考えると、世の中のアイドルと呼ばれるような存在はすごいなと単純に思う。私はもともと別にアイドルが好きなわけではないし、どちらかと言えば「エンターテインメントの質として未完成(=不完全)なものを好きになって応援する」という価値観に対してはあまり賛成ではないのだけど、真剣に頑張りながら笑顔を見せるという、一見すると相反するようなことを両立させているという意味で素直にすごいと感じるのである。

 

あらゆる意味でのコンテンツのジャンルや人としての在り方というのは数限りないけれども、私自身は頑張っているときに顔がきつくなるような世界観をカッコ良いと思っているし、自分もそういうタイプでありたいと思っている。

 

だからこそ、自分とはまったく正反対であり、決して真似できないであろうアイドルという在り方に対して、いわば未知なもの対する知的好奇心のような感覚として興味を持ったのである。

 

個別具体的なアイドルのファンになったりすることはさすがにないのだけど、アイドルという在り方それ自体を興味深い対象として少し観察してみようかと思っている次第である。

 

 - 思考