賢哲なる恣意性

桐峰矜公式ブログ

  

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根性の外注という業界

   

ダイエットなどに代表されるような、「やらなきゃいけないとわかってはいるけど自分の力ではどうにも続けられない」という分野には常に様々なノウハウとそれに群がる大衆が溢れ返る。

 

何故いつの時代も同じような規模で同じような宣伝文句に同じような客層が食い付くのだろうか。それは、根本的にそのような市場で提供されているもの自体が、そもそも一般人が認識しているものとは異なるからである。

 

多くの人は、そういった業界からダイエットのやり方、方法、トレーニングメニュー、食事の管理方法などを提供してもらっていると思っているかもしれないが、実際には違う。いや、確かにそういうものも一応ひと通り提供されるが、それだけなら何度も何度も手を変え品を変えながら無限に出てくるわけはない。買う方だって無限にいるわけがない。知識やノウハウなどというものは、言ってしまえば、誰が言ってもある程度は同じになるからである。

 

あの業界が提供しているものというのは、本質的には「根性の外注」である。知識やノウハウというのは、実はそれを知ったその瞬間から自動的に実行可能なわけでも、そのあと自動的に継続可能なわけでもない。多くの情報系ビジネスはこの点を巧妙に包み隠して知識やノウハウの優秀さだけをアピールするので、購入者の側にはなんとも拭いきれない詐欺感が印象として残ってしまうのである。

 

だからこそ、本質は「根性の外注」なのだという理解ができるとスムーズである。人間ひとりの意志力にはやはり限界がある。そこで、外部的な強制力をお金で買うのである。

 

今の時代、知識やノウハウだけなら、いくらでも個人で情報収集できる。だからこそ、どんなことであれ、知っているだけという状態のまま自己成長が停滞している人が増えてはいるのだけど、それは構造的に考えてある程度は仕方がない。

 

いずれにしても、知識やノウハウを売りにするビジネスにお金を出すのであれば、自分ひとりでは足りない分の根性をお金を払って外注しているのだという意識でいることが極めて重要ではないかと思うのである。

 

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